言葉のおもちゃ箱

心を通過した言葉を綴っています

【詩】日々の糧

誰かに荒らされる前に

自分でめちゃくちゃに荒らす

めちゃくちゃに荒らしたらそこに種をまいて

雨が降るのを待っている

 

もやもややいらいらや

きらきらやうきうきを

肥料にして

なにかが実るのを待っている

雨だけは神頼み

それくらいは許してよ

 

ちょっと待ってそこはだめ

うちの領地だからそこはだめ

警笛の代わりにギターをかきならす

見回りだけはきっちりやっている

その間に肥料のやりすぎで

芽が死んで

焦燥感に突き動かされて、また

自分でめちゃくちゃに荒らす

めちゃくちゃに荒らしたら種をまく

 

雨乞いは得意じゃないけど

降ってもらわないと困るしね

たまに微笑みの時雨

まれに労りの豪雨

降りすぎたら降りすぎたで

芽が死んで

焦燥感に突き動かされて、また

自分でめちゃくちゃに荒らす

めちゃくちゃに荒らしたら種をまく

 

隣の畑は実ったなぁ

収穫する女性と会釈かわす

焦燥感に突き動かされて、また

めちゃくちゃに荒らしたくなったけど

やっと出てきた双葉がいとおしくて

なにもせずに眺めてた

 

誰かに荒らされる前に

自分でめちゃくちゃに荒らす

めちゃくちゃに荒らしたらそこに種をまいて

雨が降るのを待っている

 

今日もギター片手に見回りに行こう

 

そんな風に生きている